栄養と波 ~野口晴哉著「女である時期」~

《野口晴哉著 女である時期より》

最近の子宮癌や子宮筋腫とか卵巣膿腫とかいったような婦人の更年期の病気を見ると、頭で食べる人が多くなっているのではなかろうか、栄養がその時期に応じて減っていくことも、体を保存するのには必要だということが判らないためではないだろうかということを考えさせられます。


しかし私自身、何十年かやってやっとそういうような角度から物が見られるようになったのですから、それを素人の人に強要するのも無理だとも言えるのです。


今の医学もそういう「生活してる人間」というものを全然見ないで、ただ生理的な人間だけしか見ていない。だからそういうことが判らない。もうあと五十年か百年経って、生活している人間を対象とする医学が新しく組み立てられだせば、きっとこういう問題も出てくると思います。


栄養をいつどんな時期にも充実させておこうとすることを健康の方針にしていることが間違いであると判る時期は、やはり早くくるようになると思います。


私は子供を育てるにも、栄養を落とす時期、高める時期があり、それをきちんと見分けるのが重要であると指導していますが、これと同じことが人間の一生を通しても言えるのです。


一番栄養の必要なのは生後十三ヶ月までの間、一番栄養の要らないのが更年期前後、その他は確かに、栄養が余分に必要なとき、落とした方がいい時期が交互にきます。


そういう波があるのです。その波に乗っていればあまり無理なく経過できるのです。その波を無視して何でもかんでも栄養を充実させておこうとするのは、夜も眠らず何でもかんでも一日中働こうとするのが間違いであるのと同様に、決してよい健康法とは思えないのです。


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〜野口裕介(ロイ)先生に捧ぐ〜 Facebookページ「やさしい野口整体」に宮崎雅夕先生が投稿された記事の保存版サイトです。