快と不快 ~野口晴哉先生語録~
人間には、良い処と悪い処がある。
快をもたらすのは良い、不快をもたらすのは悪いのである。
この人を相手にして、快と、不快と、どちらが大きいかを考えれば良い。
しかし快が千あっても、不快が一つあるだけで、嫌な場合もある。
不快が沢山あって、快が一つしかないのに、その一つの快が千の不快に優ることもある。
人間というのは、まことに勝手な存在である。
その勝手が生きているということで、トータルサムを作り、快五十、不快五十、それ故、零というのは、物の世界のことである。
生き物の世界では、一は千に対立し、千は一つに負ける。
しかも醜い毛虫が、美しい蝶になり、花の女性が、皺だらけになる。いつも決して同じではない。
それが生というものである。
写真
by Hitomi デジカメ
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