自然ということ ~野口晴哉著「風声明語」~
《野口晴哉著 風声明語より》
自然ということ
一片の花にも美しさを感じさせる秩序がある。
一つかみの雪にも自然の秩序が整然とある。
その秩序が、人体上に現れているものに、吾らは健康を感ずる。
健康を保つことに技術が真に行われれば美である。如何なる方法も、それが美と感じられなければ、自然とはいえない。
それ故、薬が苦く、注射が痛く、体の一部をきりとることが不快なのは、ほんとうとはいえない。
治療という行為が美しい現われなのに、その手段が美しく感じられないのは何故だろう。自然でないからである。
自然は美であり、快であり、それが善なのである。真はそこにある。
しかしなげやりにして放っておくことは自然ではない。
自然は整然として動いている。その秩序がそのまま、素直に現れるよう生き、動くことが自然なのである。
自然に死ぬのは自然に生ききった者だけである。
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by Hitomi スマホ
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