「ウーム、大丈夫」~野口晴哉先生語録~

《野口晴哉語録より》

「ウーム、大丈夫」


心に拠りどころがないということは人を不安にし、頼るべからざるものにまでしがみつく原因である。


殊に最近の金詰まり徴税恐慌の時代になっては何人も安心して生きている訳にはゆかない。新興宗教の流行も故なきではない。洪水、火事、台風、そういうものも次から次へと来る。


心を余程しっかり保っていないと、心が風に吹かれ、水に浸され、火で燃えてしまう。


心の中心にもし「ウーム大丈夫」をおけば、その心は日に焼けず、水に溺れず、風に動じない。不景気も税金も冒すことができない。


多くの人の心から「ウーム大丈夫」が去って、ナアニ大丈夫という根のない空想への逃避や、マア大丈夫だろうという僥倖(ぎょうこう※)頼りしかない今日になっては、心の中に「ウーム大丈夫」という中心をおく必要があること明瞭である。


「ウーム大丈夫」とは下腹に息を吸い込んで丹田を満たして大丈夫を念唱することである。これを繰り返していると、何事かに出会うと腹の中から「ウーム大丈夫」と力強い言葉が湧いて来る。


こうなれば何でもできる。


どんなことが起こっても不安はない。どんなことであっても一番悪いのは絶望と不安と焦燥であって、中でも絶望は死への道である。明るい太陽の光までが灰色になってしまう。


貧も病も辛いものには相違ないが、絶望ほどに人を痛めない。失敗も煩悶も、絶望がなければ人を活かす道となる。


正座し腹へウームと息を吸い込んで、丹田の気力を満たして大丈夫と念唱しよう。


腹の中に大丈夫を入れて、心静かに乱さず生きることが全生の道である。

ー後略


※僥倖 偶然に得る幸せ

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やさしい野口整体

〜野口裕介(ロイ)先生に捧ぐ〜 Facebookページ「やさしい野口整体」に宮崎雅夕先生が投稿された記事の保存版サイトです。