少年のころ ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
少年のころ
私の心に浮かんだ最初のことは、「人間は何故生きているのか、生まれたからだ。生きようという要求が体の中に働いているからだ。人間は何をするために生きているのか、生きるためである。生きていることだけが、人間の価値なのだ。
然るに何故、こう苦しんで生きるのか、もし生きていることが自然であるならば、人間は楽々悠々生きられるはずだ。すらすら容易に行動できるはずだ。それなのに何故そうならないのか」
疑問はつづいた。
そのうち“念ずれば現す”ということを実感した。以来、自由になった。
これは四十七、八年前のことである。
矢張り、人間は楽々悠々生きられる。すらすら容易に事が進むのが本当であった。
その頃の記録に、こういう言葉がある。
「自分は確かにうぬぼれている。しかし、このうぬぼれをとってしまったら、自分は何ら価値のない人間になってしまう」と。
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