栄養を落とす時期 ~野口晴哉先生講義録~

《野口晴哉講義より》


昔、私は犬を飼っていたことがあります。そして犬の皮膚病に愉気をしたことがあるのです。


犬の皮膚病というのは治しても治しても増えてくる。まことに厄介なものだと思ったものですが、それが栄養を落とすとサーッときれいになってしまう。何匹もの犬にやってみましたが同じ結果なのです。


栄養がいいと毛の下にある綿毛というのが取れない。取れないけれども中から新しいのが出てくる。そこで古くなった落ちない毛を引っ張ってみんな取ってやると、毛がきれいになるのてすが、それと一緒に皮膚病も治ってしまう。


普通、犬は毛が抜け変わる頃になると、食欲がなくなって栄養が落ち、自然に抜けてしまうものです。それが飼っている犬は絶えず食べさせようと工夫し、運動させているので、一年中食欲が進んで栄養のいい状態を保っている。


私は昔から、健康を保つには栄養のいい状態を続けることが唯一の方法だと確信していたのですが、犬の皮膚病をみてからは、工夫を捨てて犬の食べるのに任せてみますと、時期がくると自然に食べる量がズッと減ってくる。しかもいくら運動しても疲れなくなってくる。そうするときちんと毛が抜け落ちる。


そこで私はいつも栄養が充実していることは、時には病気をつくることがあると考えるようになりました。しょっちゅう充実していることが必ずしもいいのではなくて、栄養を落とす時期があるのだということを知ったのです。


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やさしい野口整体

〜野口裕介(ロイ)先生に捧ぐ〜 Facebookページ「やさしい野口整体」に宮崎雅夕先生が投稿された記事の保存版サイトです。