動く座禅 ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
動く座禅
活元運動をしている人を見ていた人が「動く禅」だと言いました。
座禅がだまって座って、動かないものと決めている人が多いので、動く禅と言ったのでしょう。
道元禅師の「普勧座禅儀」には、体を動かしながら統一に入る禅の方法が説かれております。
人間の心は余分なエネルギーを蓄えている限り、そのイライラはなくなりません。
体を動かしながら統一する方が自然です。そういう意味で、活元運動を入定に至る方法として使うことは良き考えです。
活元運動を行っていると、いつの間にか心は統一してきます。
統一しようとか、入定しようとか余分な考えは捨てて、ただ活元運動を行うことがその秘訣です。
裡の要求で無心にうごく、その自然の動きの中に統一の道があるのです。
心は心の働きで動く他に、筋緊張によって自動的に働いてしまう性質を持っているのです。
それ故歩きながら考えたり、
考えながら話をしていると、手や体をいろいろと動かしてしまうのです。
それ故筋の緊張を無視して心を静めようとしても、逆現象を生ずることが多いのです
。
寧ろ余分に硬直している筋を弛め、
過度緊張の筋を柔らげる方が心は静かになり易いのです。
そう考えると、活元運動によって心を澄ませてゆくということは間違っておりません。
意識して動かすことより、無意識に動く活元運動の方がより適していると申せましょう。
写真
by H.M. デジカメ
0コメント