自分で自分の体を正す ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
『整体入門』を出版しましたら、読んだ人が抵抗と感じましたのは、自分で自分の体を正すとか、自分の体は自分で管理せよということに対してでした。多くの人は長い間、病気は他人に治して貰うもの、自分の体の管理は専門家に任せるものという考えに慣らされてきたからでしょう。
体の構造に無知な素人に何ができるかということですが、精子が人間に成育したのは、精子自身がつくったからです。眼も手も胃袋も、体の全部をつくってきたのです。
知識が人間をつくったわけではありません。
必要なものは栄養とし、不要なものは糞尿とし、毒なものは吐き痢して自分の体をつくってきたのです。
インシュリンでもアドレナリンでも、又その他の自家用の薬でも、必要に応じてつくって生きているのです。
代用薬を考える前に自家用薬を産み出すことを考え、他人の世話になる前に自分のちからの発揮を心がけるのは当然なことです。
内蔵をいくら検査しても、今自分が何を食べたいか、どんなことをしようと考えているかは他人には判りません。
脈の乱れは判っても
それが失恋の為か株が下がった為か、隣の奥さんが新しい着物を着た為か判りません。顔に、他人に見えないしみができた為に陰鬱になっていた人もありました。
自分の感じの中を確かめ、体の調子を知ることが管理の最初の問題なのだから、他人より自分が主役であるべきです。
写真
by H.M
0コメント