大丈夫論 ~野口晴哉著作全集第二巻 初期論集~
《野口晴哉著作全集第二巻 初期論集より》
大丈夫論
大丈夫、大丈夫なり。
大丈夫とはそも何。
大丈夫とは正しきなり、不安なきなり、悔いなきなり、希望の輝けるなり、理想の啓かるるなり。
伸ぶるなり、進むなり、義なり、信なり、真なり、徳なり、張る気の根源なり、力の本源なり。
浩然の気もこの中にあり、人間精神活動の最高理想境なり。
満々たる勇気もこの心より発し、綽々(しゃくしゃく)たる余裕もこの確信より生じ、泰山の如く動かざる信念も亦この大丈夫によって育てらるる。
全生を希う者よ、汝、大丈夫と確信せよ。
大丈夫なる確信は盲信ではない、悟入である。
「自分と自分の信念との一致の自覚」より大丈夫の心は起る。
正を踏んで懼(おそ)れず、義を見て退かず、愛に溺れず、欲に迷わず、人の正道を進む力の本源は、大丈夫なる精神にある。
大丈夫とは、人事を尽くす凡ての根元としての神の言である。
大丈夫と唱えよ。
汝の恐怖は忽ち去りて、勇心、身に満つるであろう。
迷うことあらば、大丈夫とただ一言唱えよ。
力足らざる時あらば、大丈夫と叫べ。疲るるなら大丈夫と念ぜよ。大丈夫なる結果来らむ。
野口法に精進せる者は、毎朝微笑しながら仰臥し、若しくは正座し、しかして力を満身に込め、全心身を緊張して腹でウムと一言、大丈夫と念唱すべし、しかして力を抜け。
身体を弛めて自然に発する深呼吸の終わるまで、そのままの姿勢に居るべし。
日夕、大丈夫を確信せよ。
先哲の大丈夫論を聞け。
後文略
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by H.M. スマホ
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