全生訓 ~「野口晴哉著作全集第二巻 初期論集」~
《野口晴哉著作全集第二巻 初期論集より》
語録一
全生訓
人 生きざるべからず
生まれたるが故なり
人 全生すべし されど
人 生くるに非ず
自然 人を通じて生くるなり
人の生くるは 之自然の要求なり
人の生を全うするは
人の本分を尽くすことなり
人の生きんと努むることこそ 自然なれ
人の道なれ
人生を楽しまざるべからず
死を避くべし
只管(ひたすら) 養生全生の道に精進せざるべからず
之人たるが故なり されど
死来たらば之を恐るるなかれ
之を迎えて正しく死すべし
人の生くる目的は
自己にあるに非ずして 自然にあるなり
しかして人の使命たるや
生くることにあるなり
生あれば死あるなり
死の来たるは已に使命の終われるなり
之を恐るることなかれ 之を喜ぶべし
生けるが故に死あり
死あるが故に生あるなり
何れにせよ 自然の要求なり
之に順応すべし
人 正しく生き 正しく死すべし
生を楽しみ 死を喜ぶ
之人の自然道なり
覚悟すべし 生死 別ならずして一なり
人は生きんが為に生くるなり
生くること 即ち人の道にして
人の目的なり 使命なり
人の生 人にあるに非ず 自然にあるなり
人 自然 我を通じて生く
その信なかるべからず
されど人なくして それ何の自然ぞ
自然 人によりて生くるなり
人あるが故に自然あり
人 生くるに信なかるべからず
人に自然の力具わる
自然の力 人を通じて作用するなり
人 之を自覚して活用すべし
宇宙間の万物 人の自覚によりて存在し
人の活用によりて その存在の意義を全うす
万物 人にあり
人の恐るる何物かあらむ 無し
求むる何物かあらむ 無し
人の恐るるべきは自己にして
自己以外の何ものとても
恐るべき存在に非ざるなり
之を理解すべし
之を自覚すべし
自然の力 自然にあるに非ず
人にこそ在るなれ
自力なく 他力なし
他力なく 自力なし
力は一なり
之を自観すれば自力なり
之を他観すれば他力なり
他力 自力 同一作用にして
別なるものに非ざるなり
両の力 一致して即ち力となるなり
自力ありて他力あり
他力ありて自力あり
されば
人に恐怖あるべからず
人に自慢あるべからず
之人の生くるや 自力に非ずして他力
他力に非ずして自力なればなり されど
人 自力を信ずべし
人の生まるるや生くるなり
生存 生殖 生活 之人の最大なる芸術なり
ここに自力あり 自力を知れ
之他力を知り 神を悟るの道なり
人 瞑想せよ
静かに座して
「我あり」と
写真
by Hitomi スマホ
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