呼吸 ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
健康を保つ第一の問題は、深く長く静かに呼吸することが第一である。
浅く短く乱れた呼吸をする習慣を変えねばならぬ。その習性を改めねばならぬ。
その方法次の如し。
瞑目し心を落ち着かせ、体内の邪気を吐く。
長く大きく口より吐く。
鳩尾を指にて圧し、体を折り曲げて吐く。
欠伸が出たらそのまま欠伸を続け、誘うように欠伸を育て、
体内に老廃の気を残さぬようにすること。
瞑目静座、静かに後頭部より背骨に息を吸う、深く長く静かに吸う。
背骨で吸うつもりでいるだけで良い。腰まで吸う。
背骨や腰に汗が生じて温かくなり、
下腹に自ずと力が入り背が伸びるに至ってやめる。
出来るようになったら、立姿でも、倚座でも、電車の中でも、机の前でも、
何処でもやれるように練習する。
息が背骨を往来するようになると心気一新、
大丈夫の心が生ずる。
之れ行気の術である。
体に異常を感ずる時は異常部より吐く。
然らざる時は吐くことを考えない、ただ吸う。
生気を吸う、陽気を吸う、清気を吸う、元気を吸う。
時に性器が緊張してくることがあるが、
その時は性器より丹田に精気を吸い上げるようにすれば落ち着く。
丹田に精気を蓄え練ることが錬丹の術である。息長の術である。
夜の呼吸は瞑目し、息の出入りを数える。一より百をかぞえる。
十にして数えるを忘れるようになればよい。
心静かになり、息長くなり、呼吸せざる如くになる。
之れ胎息の法である。アナ アバーナとか、止観の法がこれである。
数えて何となるか、それを考えるより心無きに至ることが、
数息の玄妙に至る道である。
呼吸法はともに、二~七分にて終える。
熱心な人は十~十五分に至っても良い。
これが行えるようになったら、深息の法を行なう。
さらに呼吸を鍛えんとする人は次の気合法を行なう。
整腹気合。無言でも良い。
この両法合して愉気の術となる。
愉気は他に対して行なう。
その結果は斯くの如し。
精神集中法。自ずと呼吸は調い、心が統一する。
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by Hitomi スマホ
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