健康は他から与えられるものではない ~野口晴哉著作全集~

《野口晴哉著作全集より》

健康は他から与えられるものではない


健康指導の根本は、自分の力で健康な体を創造せしむることにある。これが行われない限り、いくら病気治療の方法が進歩し広く行われても、人々は健康にはならない。


健康である為の方法が多くなり、病気治療の方法が複雑になってゆくことは、健康指導の退歩である。最も進歩した健康指導法は何もしないということであり、何もしないで皆が丈夫に元気に暮らせることである。それにはやることを如何に多くしても駄目だ。


病菌を殺す企ては病菌の冷水摩擦に他ならない。可し可からずを多くすることは生命の溌剌とした発揚を妨げる。


何もしないで健康に生くる為には、自ら健康を創造する能力を身につけることであり、身に已についていたことに気づいて活用することである。


他人の糞を気張って息巻くより、人に本来具わる力を発揮する方法を教え、何もしないで丈夫に生きてゆく道を指示することこそ、健康指導者の為す可きことであり、病気を治療する人々の心掛けることであろう。


しかし、意識を対象として如何ように説くとも、実際の力にならないことは確かである。無意識に向かってこれを説くことこそ、何もしないことを力とする唯一の道であることも忘れてはなるまい。


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やさしい野口整体

〜野口裕介(ロイ)先生に捧ぐ〜 Facebookページ「やさしい野口整体」に宮崎雅夕先生が投稿された記事の保存版サイトです。