女の自然を活かす道 ~野口晴哉著「女である時期」~
《野口晴哉著 女である時期より》
六 女の自然を活かす道
前文略
排卵日は体で感ずるはずなのですが、それを感じない人が結構います。排卵日に一番多く体に感じるのは喉です。月経時には扁桃腺や何かそういう部分が過敏になり、侵されやすくなり、侵されなくとも異常があるような感じが起こってきます。
ところが排卵日には甲状腺の変化が起こって、交感神経の全般が亢まってくる。従って感情が過敏になり、感情が亢まってきます。
我々は交感神経の元である腹部の太陽叢を感情の元と見ていますが、エネルギーの昇華が太陽叢で行われると、途端に感情が過敏状態になるのです。排卵日にはそれが自動的に行われる。
また骨盤や股関節に刺激を与えた場合に、その反応が非常に大きく起こってきます。そこで骨盤操法は排卵日を利用してやるのが一番いい。股関節の矯正も同じで、排卵日や雪の降った日などに行なうと非常に都合が良いのです。
妊娠するということも、この排卵日の時期が一番受胎しやすい。妊娠は受胎することに始まるのですが、妊娠初期の九十日間、特に最初の一ヶ月の間が一番人間の基本をつくるものらしく、その時期の親の体の状態が非常に微妙に胎児に影響する。
心臓ができるのも、手足ができるのもこの時期だと言われていますが、この時期には非常に大きな影響を受ける。
中略
妊娠して一ヶ月目に何かのことで麻酔薬を注射した人がいましたが、産まれた子は目がしょっちゅう不安定で絶えず動いているのです。こういうことから考えると、神経系統にもその影響が及んでいると言える。
小児麻痺や先天的な肢体の異常は殆どが、受胎して一ヶ月から三ヶ月の間に何らかの変動があると現われると言われている。特に風疹などは病気の中でも一番影響があるとされています。
愉気をするというのでも、この時期に愉気をしたかしなかったかでは、まるで違ってきてしまう。また同じ愉気をするにしても、受胎して半年以後にしたのと、それ以前にしたのとでは大分違う。
私は長い間愉気ということをやっていますので、一番愉気の効果があるのは妊娠の初期であることをはっきり知っていますけれども、大きく言えば、妊娠中に愉気したときほどその効果が明瞭に現われるものはありません。
中略
ともかく妊娠中の愉気が一番効果があります。それも早ければ早いほどいいが、たとえ遅くなったとしても産まれてからやるのとは違う。それに妊娠中に愉気をしていると安産しやすいし、母乳の出も良いという効果がある。
つまり妊娠、分娩、育児という問題全般にわたってその効果が強く出ているところから見ると、妊娠中の愉気は女の体の特質を活かすのだと言うことができます。
一番面白いのは、妊娠中に愉気をしますと、分娩後にその人達はみんなそれぞれにきれいになっているのです。月経がくるっていた人も分娩後はきちんとするし、骨盤が曲がっていた人もきちんとする。太り過ぎや痩せすぎも訂正される。
また分泌がよくなるためか皮膚の肌理が、細やかになって、いつも潤いがあるようになってくる。
後略
写真
by Hitomi スマホ
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