〜野口晴哉著「叱り方褒め方」〜
《野口晴哉著 叱り方褒め方より》
叱言というものは相手の欠点をつくことではない。
相手にそれを言うことによって、相手の長所を伸ばすきっかけを与える、そういう働きかけが本来、叱言というものである。
従って欠点を責めているだけでは叱言にならない。
「頭が悪いから勉強しなさい」と言わないで「使えば良くなる頭なんだから、もう少し使ったらどうか」と言う方がずっと効果的である。
そのように叱言を、相手の短所を責めるかの如く、まるでナイフか刀で切るように、相手の隙をつくようなやり方は、子供には勿論、亭主にもしてはならない。それでは人を傷つける働きしかない。
本当の叱言というのは温かくて、それを聞いて発奮して、体の中の力が喚び起こされるような言葉でなければならない。
だから愛情を込めてできるだけ短い言葉で、しかも相手の心の向きを変える言葉を発見して言わなければならない。そしてそれを極めて簡潔でよく判るように言わなければならない。
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