体の自然の要求 ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
風邪に限らず、いろいろな病気も経過を待てばいいのに、待っていられないで治すことを工夫する。
体の自然の要求に合わないことでも、人がいいと言うとやってみる。自分の体も人の体も同じだと思っている。
野菜の好きな人の体と肉の好きな人の体を一緒にしているし、美味しそうなものから先に食べる人と、不味そうなものから先に食べる人の体を一緒にしてしまって、同じように扱っているけれどもそれは違う。
みんな自分自身の感じ方によって決めなくてはならない。
だから、お腹が空いたといっても、その人その人によっていろいろな要求がある。お腹が空いて快感の人もいれば、すぐ食べたい人もいれば、食事時になってもお腹が空いた感じがしないのに体の力が抜けたり、眠くなる人もいれば、食べたくもないのに、食べてしまわないと不安になって食べる人もいますが、体にはいろいろの要求があって、その要求は一人一人違うのです。
だから、その要求に沿っていけば自然に丈夫になれるのに、なぜ他人に「私は今、大便がしたいんでしょうか、したくないんでしょうか」と訊くのと同じことで、判るわけがない。
また「私は今、団子が食べたいのでしょうか、トンカツが食べたいのでしょうか」と訊いてご覧なさい。どんな人でも、その区別はつかない。
また痒いところをどんなに丁寧に掻いてもらっても隔靴掻痒(かっかそうよう)で、いらいらするが、自分で掻けば、ちゃんと痒い処だけ掻いて止める。
だから、自分の体は自分で管理し、自分の病気は自分の体の力を発揮して経過を待つべきなのです。それを待てないで、ワイワイ人に相談したりするのは自分の体の力を自覚していないからなのです。
自分の体の力を自覚していないから、何でもないことまで病気にしてしまって騒いでいる。たとえ骨が折れても、骨は折れたところで自然に治るのに決まっているのに、待っていられない。
私の所では、骨が折れたからといって、そこに棒を巻き付けたりはしません。筋肉の萎縮しているところを、ちょっと刺激しておくと、後は自然に治ってしまう。
私は熱が出たからといって冷やしたことは一回もありません。熱が出れば「結構だ。高くなったら、温めなさい」と言う。温めると、一度サッと熱は上がりますが、すぐ下がってくる。
写真
by Hitomi スマホ
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