自分との対話 ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
自分で自分をよく知り、いつも自分と話し合っていると、他人との対話の場合にも咄嗟の対話ができる。
―略―
この間、眠れないという人にこのことを教えたのですが「あれをやると、すぐ眠ってしまう」と言うので、「それは自分に知られたくない悪い自分がいるからだ。なにか悪いことをしているのだろう。さては隠れてコソコソ何かやってるな」と言いましたら「どうして分かるか」と訊くので、「毎晩、自分と話ながら寝るというのは、自分に隠しておきたいもう一人の自分がいるからだ」と答えましたが、
人間は能力以上の責任を負った場合は、自分で自分の葬式を出してしまうのです。夢で自分の葬式を見たという人は、背負いきれない責任を忌避することなのです。
都合の悪い自分と、本当に真剣な問答ができないようなことがあれば眠ってしまうし、起きている時でも自分で逃げ出したくなる。
逃げ出したくなった時は、ここが会話の急処だと思って、自分に聞かせたくなくても話してしまうのです。言い難いことも言ってしまうのです。
聞き手は自分なのです。ここで自分を鍛えるのだとお考えになったらよい。
気取っても、飾ってもしようがない。本来そのままの人間が本当なのだということが出てくると思うのです。こうなれば、誰と対話しても乱れない。
他人の心理指導を行おうとする場合には、その前提として必要なのは自分との対話であり、自分との対話がキチンとできていないと、人の心にも触れられない。
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by Hitomi スマホ
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