眠り ~野口晴哉先生語録~
《野口晴哉語録より》
眠り
眠るということは、量の問題より実は質の問題であって、長い時間眠ることより、深く眠ることの方が大切である。
然るに目が覚めて時計を見て、まだ早いからと眠り直したり、昨夜眠る時間が短かったから、今日は眠らねばならぬと自分で決めて、眠りに借りがあるような気持ちになって観念的に眠くなってみたり、だるくなったりして、眠りの足りない言訳を自分にしている人もあるが、時計に縛られているようで滑稽である。
疲れるまで活き活き働いて、目が覚めたら直ぐ起きよう。
何時間、眠らねばならぬなどと、心に決めてしまわないで、眠くなったら眠り、目が醒めたら起きることにしておこう。
そうすると存外眠る時間が短くなり、四、五時間で目が醒めるようになるが、それを不安に思わず、さっぱりした気持ちでその時に起きてしまう癖をつけよう。
なかなか目の醒めない人は、もう少し疲れてから寝るように心がけよう。
眠りというものは疲れる為に、止むなく為さねばならぬ行為であって、人間はなるべく生涯、活き活きと起きていたいものなのである。
眠る為に生きているのではなく、生きる為に又起きている為に眠るのだから、眠ることは短い程良いし、眠くもないのに眠るのは良くない。
ぐっすり深く眠れるのは、心や体に硬張りや停滞の少ない人だから、吾々はぐっすり眠れるよう、起きている間はなるべく停滞や硬張りを造らないで正直に振舞いたいものである。
写真
by H.M. スマホ
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