村上村教育論集 第四回 自由の要求 ~野口晴哉著作全集第二巻~
《野口晴哉著作全集第二巻より》
村上村教育論集 第四回 自由の要求
前文略
やはり自由を欲するのは人間の本性だった。
大人も自由を欲しているが、子供はもっと自由を欲している。
それなのに我々は子供を明日の為、明後日の為、人の前に出たときの為、親の対面の為というような理由で、伸び伸びさせなかった。
いつかの何かの為に、今日の自由を奪っていた。だから子供達は親の顔色を見て行動するように萎縮してしまうか、親の目のつかぬところで暴れるか、逆らっていたずらをするか、自分のやることに自信を失って臆病になるか、そして本来の性質がだんだん歪んで、所以悪い子になってしまったのだ。自由を欲することの旺盛な野性の強い子供達ほど、憎まれっ子になってしまった。
大人の不安と慎重がそういう子供を造ったのだ。我々は子供の要求をハッキリつかんで、其れを無理なく活かす道を拓いてやらねばならない。
ただ叱り、ただ褒めていてはそういうことを頭で呑み込ませるだけに終る。親の目の為に行動して自発の行動が出来なくなるだけだ。叱られないような言い訳を工夫させ、褒められる口実を造ることを上手にするだけだ。
写真
by H.M. スマホ
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