無心に手を出す ~野口晴哉口述「愉気法講座(103)」~

≪野口晴哉口述「愉気法講座(103)」より≫

無心に手を出す


背骨はいろいろな神経の元になっています。そこから分布されている、先についている横紋筋の運動が変わるのです。


だからそれも、何番は何処へ行く、例えば胸椎の四番がピシャッとくっついちゃっておれば、これは心臓へ行っている神経なのです。


心臓の調整が悪いということなのです。だけども胸椎の九番だったら肝臓です。相手は背中じゃ何処だかいっこうに判らないし、そして手がひとりでにいくから判らないで押さえておりますけれども、細かに調べると常に正確なものです。きちんとこの位置にくっつくのです。


だけど、そんなこといちいち、ここが悪いとかあそこが悪いとか思うと、それは余分なことになってしまう。


人間というのは病気の名前を知ると、その病気になるのです。もう今は脚気とか仙気とかいう病気はなくなってしまいました。皆カタカナの病気ばっかりになっちゃった。


病名がなくなると病気もなくなるのです。さっき話したスモン等も昔の脚気とそっくりなのです。だから、白米中毒に何かが加わっている、それだけなのですけれども、脚気という病気がなくて、ただ足が痺れて皆目がつぶれる。何かそんな余分なことになっております。


兎も角、愉気をしていくとちゃんとそういう処に吸いつくが、「ここが悪い、これは何々だ」なんて言うのは、やる方が知っていることで、やられる方は知らない方がいいのです。

だからそんな専門的な知識は初めからお持ちにならずに、手が行った処を押さえていると、そうすると良くなり出します。


それで大変良く効くというようなことを言われ、みんなも方々から頼まれてやっている人がございます。


ここでは家族でやり合う程度の知識ですけれども、同じ家族だと無心に手を出せばそれで十分です。友達でも同じです。


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やさしい野口整体

〜野口裕介(ロイ)先生に捧ぐ〜 Facebookページ「やさしい野口整体」に宮崎雅夕先生が投稿された記事の保存版サイトです。