梅雨期の整体 ~野口晴哉語録「月刊全生昭和62年6月号」~
≪野口晴哉語録 月刊全生昭和62年6月号より≫
梅雨期の整体
梅雨になるとどういう体が故障を起こしやすいかといえば、湿気で皮膚が包まれて一番影響を受けるのは泌尿器と呼吸器である。
普通人でも余り湿気が多いと、蒸し暑く息苦しく感じる。蒸し暑いときは積極的に体を動かし、息苦しくだるいときは深呼吸すると、そういう感じは薄らぐ。
思い切って大股に五、六歩、歩めばとれる。座骨神経周辺の筋硬直がだるい原因であり、息苦しいのはその影響である。それを伸ばすように歩んでみると、すぐ体で判る。
体癖素質でいえば、六種と八種の体に影響が濃く、特に八種体癖者に於いては、大股に歩いても深呼吸しても、だるく重い。その捻れている方向に思い切って捻り、息を堪えて不意に吐く、その吐くときに捻っている体をもとに戻せば、二、三回行うとその感じはなくなる。
六種は胸椎三、四の肩甲骨間の運動をすると楽になる。但し、湿気で重くなった気分をとることは難しいが、活元運動を行えばよい。
湿気で鉄の錆びることはご存じと思うが、人体の構成物質にも、その湿気で錆びる鉄があることを考え、停滞しないように積極的に動かすことを考えるべきであろう。
活元運動は湿気が多くなると発動しにくくなるが、一旦発動すると頗る大きく動く。
梅雨期の風邪は汗を引っ込めた捻れ風邪、四月と違って捻れ体癖の人に多い。汗が引っ込むのは風。特に隙間風。寒い頃は注意している人も多いが、梅雨頃につい忘れてうっかり冷やす。
捻れ体癖の子供をもっている人は早めに蚊帳を吊ったらよい。蚊帳は蚊を避けるためより、風や明け方の気温の低下で冷やすことを防御する。
しかし眠っているとき以外は、積極的に勉強し、運動していれば警戒の必要はない。
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