気を通し気を満たす ~セルフ整体~
《セルフ整体》
気を通し気を満たす
私は平成七年から学び始めましたので、すでに二代目として野口晴哉先生のあとを継がれていた「ロイ先生(野口裕介先生)」の講義を受けて学びました。
ですから野口晴哉先生の思い出話が出来ないのは残念ですが…
今回は、今は亡き恩師、ロイ先生の思い出から「気を通し気を満たす」ということをお話しようと思います。
野口晴哉先生がお亡くなりになられて、三階建ての本部の道場の二階で個人指導をなさりながら、若先生は、野口晴哉先生の「気」の凄さを改めて感じ、自分には真似できないことを思い知ったのだそうです。
よく「気が抜けている」という言葉を使いますが、まさに道場もその状態だったそうですが、
一階のロビーから二階、そして三階の広い部屋まで気を満たし続けることは、ご自分には野口晴哉先生のようには出来ないと。
けれども、気が満ちた場というものの力は、人の命と健康を護る為には大事なものです。
ロイ先生は、どうやったらここに気を満たし続けられるのか思案を巡らされ、
その後、道場での活元運動の会や愉気の会がある前に本部の近くの会員の方たちによる道場のお掃除が始まったのだと仰いました。
活元会などに参加される方たちを、会員と共に同じ仲間として歓迎し準備して待つ、ということがご自分一人では野口晴哉先生には及ばないと悟られた若先生の、道場に「気を満たす」一つの方法でした。
そして次になさったのは、道場で活元運動を行う機会を増やすことでした。
ロイ先生が毎回とても楽しみになさっていたのですが、参加者に体験を語ってもらう「スピーチ」を行ってもらうことも、場を盛り上げ、互いに気を通わせ会う効果もねらったものだったようです。
整体コンサルタントの試験に合格したら、毎月一週間道場にカンヅメ状態で、半年間の宿泊研修が行われます。その後研究発表をコンサルタント研修会で行って、先輩の指導者の先生方の承認を得て、はじめて整体コンサルタントの認許状がいただけるのでした。
その研修の間、毎朝道場を掃除させていただき、掃除の前と後の道場の気配の違い、そして、大勢の人が集まって活元運動を行った時の、その前後の違い、
それを研修仲間で確認しました。
大きな会だけではなく、毎週集まって行っている小さな活元会でも同じですが、
それは「気が満ちる」という表現よりも「気が澄む」という表現の方が相応しいかもしれません。
はじめてそれに気がついた時は、その空気の違い、景色の違い、聞こえてくる音の違いに感動しました。
活元運動だけではなく、愉気を皆で行う会も同じです。
一人一人のからだが弾力を取り戻し、整ってくるにつれて、その会場全体の空気が変わります。
ロイ先生はまた、地方にもよく赴かれ、活元大会や講習会などを企画、実行されていましたが…
始まる数時間前に会場に着かれて、会場の四隅に無言の気合いをかけることが、先生の最初の仕事でした。
大勢の方が、安全に運動ができるようにという願いが込められた気合いでもあり、体育館や宴会場なら、今からここは整体道場に変わりますという宣言であったかもしれません。
皆さんも、ご自分の部屋の四隅や、家の四隅に行ってみませんか?
愉気で良いのです。
人差し指と中指を合わせあとの指は握って、肘を伸ばし、背筋を伸ばし、部屋の北東の角に向かって立ち、上の角を指差し、その指を下まで下ろしながら愉気(指先から息を吐くイメージ)をします。
右回りに四隅を、上から下まで愉気をします。
これを部屋の四隅に「気を通す」と言います。部屋を浄め気を満たすような意味で行います。
過去の投稿に、「背骨で呼吸する」という脊椎行気のことを書いた野口晴哉先生の文がありますが、これは自分に「気を通し、気を満たす」方法です。
活元運動は、体の洗濯、大掃除です。
体も部屋もきれいにして、気を満たして使えると良いですね。
写真
by Hitomi スマホ
0コメント