背骨で呼吸する(脊髄行気) 〜野口晴哉先生語録〜
《野口晴哉語録より》
背骨で呼吸する(脊髄行気)
だるいとき、疲れたとき、身体に異常があるとき、心が不安定なとき、気がまとまらぬとき、
静かに背骨で息をする。
腰まで吸い込んで、吐くはただ吐く、特別に意識しない。
この背骨で息することを、五回繰り返せば心機一転、身体整然とすることが、直ちに判るであろう
背骨で呼吸するといっても、捉え処がないという人が多いが、それを捉えた人は、みんな活き活きしてくる。
顔がそれ以前と全く異なってくる。
腰が伸びる。
なぜだろう。
平素バラバラになってる心が一つになるからかもしれない。
脊髄に行気されて、その生理的な働きが亢まるからかもしれない。
ともかく、人間はこういう訳の判らぬことを、一日のうちに何秒間か行う必要がある。
頭で判ろうとしてつとめ、判ってから判ったことだけ行うということだけでは、いけないものがある。
自分の心が静かになったとき、
自分の心に聞いてみるがよい。
広い天体のうちの一塵である地球の上の人間が、判ったことだけやろうとしている寂しさが判るであろう。
頭で判らなくとも、背骨で呼吸することが、宇宙の心に通う道筋になるかもしれない。
荒唐無稽にあこがれる心は、
潜在意識の裡には誰も持ってる。
そのため、詩があり、お伽噺があり、宗教がある。
疲れたまま眠るより、
乱れたまま心を抑えるより、
まず背骨で息をしよう。
その後でどうなるか、
そういうことは考えないでやることが脊髄行気の方法である。
写真
by H.M. スマホ
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