活元運動の始め方 ~セルフ整体~
◆活元運動の始め方
●活元運動の準備運動 その1:「邪気の吐出(じゃきのとしゅつ)」
活元運動は無意識の運動です。意識で体を動かすのではなく、三つの準備運動を行ったあと、眼を閉じて、体の裡から起こってくる動きに身を任せてゆく運動です。
行う上での一番のコツは、雲の上の空のように何にもない心で「ポカン」とすることです。
最初の準備運動は、このポカンという状態に成りやすくするための呼吸法です。
「みぞおち」という処をご存知でしょうか?
両方の肋骨の下端から両手で骨を辿っていくと、交わっているところがあります。そこには剣状突起と言って押すと痛い尖り気味の小さな骨があります。 「みぞおち」は、そこに人差し指を置いたら、薬指の当たる処辺りです。漢字では鳩の尾と書いてみぞおちと読みます。
この鳩尾に両手の指先を軽く当て、その手で手伝うようなつもりで
腹腔を折り曲げるようにして前屈しながら、息を吐いていきます。
畳に頭がつく時に丁度吐ききるように自分の呼吸の深さに応じて速度を調節します。
吐ききったら手を緩め体を起こします。吸う方は意識しません、吐ききっていますので、起こす時に自然に深く吸えます。慣れると、これを2回ほど行うと、あくびが出てきます。
老廃の気(邪気)を出しきり、肺の中を空っぽにすることで、体の本能として、たくさんの空気を取り入れようという要求が起こり、体に大あくびをさせます。大あくびをすることで、体は新鮮な空気で満たされると同時に息は段々に深くなり、鳩尾が緩みます。大あくびが出たら一つ活元運動の準備ができたことになります。
●活元運動の準備運動 その2:「捻転運動」
腰の弾力を一時的に取り戻して、運動が出やすくするとともに、腰に気を集めることで、頭に上がった気を下ろしてさらにポカンとなりやすくするための体操です。
腰という字は、月へんに要(かなめ)と書きますが、文字どおり身体の要となるところです。
腰椎は一番から五番までありますから、さらにその中心は、腰椎の三番です。
腰椎の三番は、体を捻る動きをするときに中心になる(力が集まる)ところです。
活元運動の二つ目の準備運動は、(腰椎三番に力を集めて)体を捻り、
ポッと速く抜く、という体操を、座して左からはじめ、次に右と、交互に計14回行います。
筋肉は、疲労が積み重なると硬くなって縮みますが、そこに、グッと力を集めて、縮んだものをもう一つ縮めて、ポッと一挙に力を抜くことで、それをきっかけに緩むという性質もあるのだそうです。
まるで、ポン菓子みたいですね(笑)。
でも、この腰椎三番できちんと捻ることが、意外と難しいのです。
腰がこわばっていると、胸椎の10番あたりに力が入ってしまいます。
腰できちんと捻るために、側腹をつまんだり、食べ過ぎ体操をしたり、
準備運動のための準備運動が必要な方も多いです。
肛門をギュッと閉めると、腰に力が集まる感覚が判りますので、そうして一度腰を意識して、肩越しに背骨を覗きこむようにして捻っていき、ポッと力を抜くと、うまく、腰の弾力が取り戻るようです。
これが、二つ目の準備運動です。
●活元運動の準備運動 その3:「活元運動の誘導法」
準備運動の二つ目までは、それ一つおこなうだけでも、十分に健康法として使える体操(呼吸法)です。
3つ目は準備運動と言うより、活元運動の誘導法になります。
活元運動は、身体の疲労など、健康を維持するのに不都合な状況を、調整しようとする働きで起こってくる動きです。なので、これを誘導するために、意識的に体に不都合を作り出します。運動と呼吸の逆転、の動作を行います。普通、力を入れる時に息を吐いたりしませんが、それを、あえて行います。
まず、親指を握りしめるように拳をつくり、
肩の高さに上げた両腕を肘で曲げ、
徐々に息を吐きながら、
体を後ろへ反らしていき、
後頭部の延髄に意識を集めながら
両肘を張って肩甲骨を背骨に寄せるようにして、
奥歯を噛みしめ、背骨に力をギュッと入れ、
息を吐ききったと同時に急に力を抜きます。
これを、三回行います。
(延髄には生命維持に重要な中枢神経が在り、
意識を集めることで気が集まり、その働きが活性化します。)
三回行ったら、手のひらを上に向けて膝の上に置き、肩や首の力を抜いて
目を閉じてポカーンとします。
そうすると、体が自然に動き出してきますので、
あとは身を任せてしまいます。
◆活元運動のとめかた
本当は、動かなくなるまで続けていればそれでよいのですが、
途中で電話やらお客があったりして、止める時は、必ず片目ずつ開ける様にします。
途中で両目を開けると、めまいがしたり具合が悪くなることがあります。
そして止めるときは、せっかく体に良いことをしているので、丹田に気を集めて終えます。
息を大きく吸い込んで、
鼻から漏気(ウームと声を出して息をもらすこと)して、
下腹に息をおろし、
息をこらえたまま、
片目ずつあけて、
それから息を吐きます。
グループで行う時も、合図に従って皆で一緒に息を吸い込んで、上記のやり方で止めます。
以上が、活元運動の実際のやり方です。
◆活元運動後の反応と注意
活元運動を続けていると、体が弾力を取り戻す過程で、弛緩、過敏、排泄の反応があることがあります。
それから、体内にシリコンやペースメーカーなどを入れている方は、体外に排泄する動きが起こらないとも限りませんので、活元運動は行わない方が良いと思います。また、精神科の薬や、ステロイド剤を常用されている方は、お近くの指導者に直接指導を受けて行う方が良いと思います。
悪くなることはありませんが、反応が大きく出る可能性があります。
0コメント